ありふれた装置でも、すぐに設計できるとは限らない。
まずは必要な項目を整理、相談し、実物を見て、ヒントを積み重ねていくことだ。
世の中にありふれた装置。
モノを載せる。ローラをくるくる回す。すると、モノが運ばれていく。
要は、コンベアだ。
「コンベアを設計しろ」
そう言われたが、知見がなかった。
一品一様の装置設計で経験を積んでいたが、コンベアを設計、となると自信がない。
くるくる回るローラ1本で、どれくらいの重量を運べるのか。
モータローラと、ただ回るフリーローラは、何本ずつ使うのか?
ローラ同士は、どれくらい間隔をあけたらいいのか?
いわゆる過負荷になったとき、どう検知して、どう止めるのか。
発注しないので、外注先には相談しづらい。
社内にあるコンベアも見た。
上司、先輩、同僚に聞く。後輩にも聞く。
「コンベアは自分で設計するとしても、モータは選定してもらえ」
上司のアドバイス。
早速モータメーカを呼び、仕様を伝え、選定を頼む。
必要な部品も教えてもらう。
『カギャクシキ』
初めて聞く名前だった。
可逆式電磁接触器ーーコンベアを逆方向に回転させたい時は、モータを逆に回す必要がある。
正転、逆転を切り替えるための部品だ。
「そんな部品があるのか」
回路図を部品メーカから取り寄せる。
確かにモータが反対に回るよう、配線が切り替わる。
しかも、サーモスタット付で、過負荷にも対応。
ワーク重量と寸法からローラ本数とピッチを決め、モータはメーカ選定を使用した。
そうやって設計し、コンベアは動いた。
製作から十数年。今も、問題なく動いている。
